ハイボールに正解の比率はない!? それでも、計量する価値がある理由
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ウイスキーは、加水や温度によって感じ方が変わるお酒です。
香りの立ち方が変わり、
アルコールの刺激が変わり、
甘味や苦味の印象も変わる。
これは、ウイスキーが好きな方であれば、
おそらく誰もが知っている事実だと思います。
それなのに、ハイボールだけはなぜか適当に作ってしまう。
今回は、そのあたりを考えてみたいと思います。
◾️加水と温度で、ウイスキーの感じ方は変わる
ストレート、ロック、ハイボール。
ウイスキーは飲み方によって、味わいが変わる。
トワイスアップ(ウイスキー1:常温水1)のように、香りと味をバランスよく引き出す飲み方もよく知られています。
つまり、加水や温度で味わいが変わることは、ウイスキー好きなら体感的に理解している
はず。
◾️それでも、ハイボールは適当になりやすい
ところが、ハイボールになると話が変わります。
ウイスキーをボトルから直接グラスに注ぎ、炭酸水を勢いよく足す。
「まあ、このくらいでいいか」
特別なウイスキーは別としても、いつものウイスキーは、そんなふうに作ることが多いのではないでしょうか?
それでも”おいしく”飲めてしまうからこそ、量を気にしなくなると思うのです。
◾️ハイボールの黄金比率は?
巷で言われるハイボールの黄金比は「ウイスキー1:炭酸水3 」と「ウイスキー1:炭酸水4」 で二分しています。
どちらが正解か、という議論もありますが、結論から言えば、正解はありません。
さらに言えば、この2択ですらなく1:5がベストだと言う可能性だってある。
- ウイスキーの銘柄
- アルコール度数
- その日の気分や体調
これらによって、ちょうどよく感じる比率は変わります。
黄金比とは、ベストな正解があるわけではなく、個人個人の好みで決めるもの。
なのだと思います。
◾️では、なぜ計量するのか?
ここで、ようやく本題「計量する価値」について考えたいと思います。
と言っても個人的な答えはもう出ていて、とてもシンプルです。
「量を決めると、違いが分かりやすくなる。」
同じウイスキーでも1:3と1:4では味わいが変わります。
違う銘柄ならその差はもっと顕著です。
ただ毎回、適当に作ってしまうと、それは濃さの問題なのか、ウイスキーによる違いなのか?その差分が分かりにくくなってしまう。
スモーキーとフルーティなど明確に方向性が違うなら、明確にその違いはわかりますが、同じフルーティなウイスキーなら?
細かい差分を捉えるなら、やっぱり定量で作るのがいい。
◾️計量で、味は良くなる?
自分にとってベストなバランスを見つけると言う意味では、もちろん美味しくなります。
ただ、計量すれば必ずおいしくなる、という話ではありません。
計量の本当の意味は、味を捉えやすくして、理解することにあると思います。
量って作る事で、風味の変化を感じることができるし、銘柄による違いも、より繊細に感じられるようになる。
そして「量る」と言う行為そのもので、ハイボールとの向き合い方が少し変わります。
◾️メジャーカップについて考えてみる
計量するだけなら、プッシュポンプでも十分ではないかと、思う方もいると思います。
機能だけを見れば、その通りです。
手軽で合理的です。
ただ、メジャーカップには、もう一つ別の価値があるように感じています。
◾️ウイスキーに向き合う儀式
タンブラー(グラス)に氷を入れ、ウイスキーをメジャーカップに静かに注ぐ。
メジャーカップを手に持ち、手のひらが上に向くように手首を捻りながら、氷が入ったタンブラー(グラス)にウイスキーを入れる。
そして静かに炭酸水を注いでハイボールが出来上がる。
ちょっとした一手間。
この一手間が、ハイボールを美味しくする儀式のようにちょっと感じるのです。
もちろん、本当に味が変わるわけではない(ステアしたり、炭酸を丁寧に入れる効果はあると思うけど)
ただ、丁寧に作ったこの一杯は、どうしたって集中して味わいたくなる。
味覚と嗅覚を総動員して、ハイボールを飲むのだから、やっぱりそれは美味いわけです。
◾️まとめ
ハイボールに、正解の比率はありません。
だからこそ、自分にとっての好みの比率を見つけられる。
深掘りできる余白があるのは、大きいなと考えています。
さりとて、適当に作っても美味しいのがハイボール。
どっちだっていいわけですが、僕はウイスキーをもっと理解したいと思ってしまうので、今日もメジャーカップを使って30mlのウイスキーをベースにハイボールを作る。
そして、やっぱり一杯目は、目を閉じてハイボールを口にして「うまい」とつぶやくのです。
計量は、ハイボールを「ただの酒」から「自分の飲み物」として理解するための一つの方法。
そう考えています。
